鵜飼の1日
華やかな鵜飼の舞台を支える職人達
そして圧巻のクライマックス「総がらみ」へ

鵜飼がスタートするのは午後7時も過ぎた頃。とはいえ、準備はそのずっと以前、日が傾く前から始まっています。
鵜匠の家では、鳥屋(とや)から鵜たちが出され、その日の健康状態などをチェックして、2羽ずつ計12羽の鵜が鵜籠の中に移されていきます。 鵜たちはペアとなっており、その順列も決まっています。

その頃、川岸ではとも乗りと中乗りのふたりが舟の掃除、松割り木の積み込み、篝棒(かがりぼう)の据え付けなどの準備を着々と進めています。 準備が整った頃、鵜飼装束を着た鵜匠が川岸に登場、鵜を入れた鵜籠を舟に積み、3人が乗り込みます。

鵜匠たちを乗せた鵜舟は、立場(たてば)と呼ばれるスタート地点に向かいます。この立場の位置は、天候などによって毎日変わります。

6艘の舟が立場に集合、日が暮れる頃になると、篝火(かがりび)の火種にもなるたき火をたき、とも乗りたちがその日の舟の並び順をくじ引きで決めます。 これは、川を下る順番や位置によって漁獲量が変わってくるため、公平を期すために行われている慣習です。

出発時間が近づくと、鵜籠から鵜が出され1羽ずつ手縄(たなわ)がかけられます。のどに巻く首結(くびゆい)は、この締め具合が鵜の鮎の獲る量を左右するというだけあって慎重に巻かれます。 まさに鵜匠の経験と技、腕の見せどころといえるでしょう。